カルマとは、因縁・業・メグリなどと言われます。
仏教では、「因縁が深い」とか「業が深い」とか言われます。
カルマとはどのようなものかというと、人生のバランスをとるものです。
人に良い行いをして感謝されると、自分が別の人から助けられて感謝することになる。
これがグッドカルマで、徳といいます。
逆に、人に悪い行いをして苦しめると、自分が別の人から苦しめられる。
これがバッドカルマで、因縁や業などといいます。
このような反作用的な出来事が過去世→現世、また先祖→自分自身の間で発生するエネルギー的な働きがカルマです。
業が深いとは、過去世の自分自身や先祖が悪い行いをして、そのエネルギー的借金が天に残っていることをいいます。
天にある負債ですね。
そのようなエネルギーがあると、今世は何をしてもダメで、思うことうまくいかず、何かと恵まれない人生になってしまいます。
徳を積んだ家系は、さほど努力しなくても人の縁やお金に恵まれ、幸せで明るい人生を送れます。
人生はカルマがありますから、生まれた時から皆平等ではありません。
人間は皆平等ではないのです。
それはどうしようもないことで、来世も含めこれからの人生を良くしていこうとすれば、今から徳を積む行動を起こし、それを継続するしかありません。
あるお客様から面白い話を聞きました。
その女性は、電車に乗っていると、まったく見も知らぬ人から突然ぶん殴られるそうです。
それが一度や二度ならず、何回もあるというのです。
びっくりしますよね!
その女性が周りに迷惑をかけたならいざ知らず、何もしていないのに、赤の他人からぶん殴られるのは只事ではありません。
そのようなことが続いてしまうと、トラウマになって、電車に乗れなくなってしまうでしょう。
私は現場に居合わせたわけではないので、事情はわかりませんが、この話を聞いた時に「この女性のカルマなんだろうな」と思いました。
自分が過去世で、またはご先祖が、通り魔的な暴力を振るって他人を殺めていたのかもしれません。
武士の世の中には辻斬りがいました。
辻斬りとは、武芸の腕前や刀の切れ味を試すために、通りがかりの人を通り魔的に殺めていた人のことです。
この話を伺って、別の事例を思い出しました。
Yさんは、端正で美人な女性です。
Yさんはこれまでの人生で3〜4回知らない人から押し倒されて首を絞められたそうです。
これもびっくりしますよね!
普通の人は1回もないでしょう。
それも通りがかりの人が、突然狂暴化してYさんを襲うのですから、それはとても恐ろしかったことでしょう。
映画マトリックスではエージェントスミスという悪役のプログラムがありました。
エージェントスミスは主人公のネオ(キアヌ・リーヴス)を襲うのですが、ネオは逃げても逃げても、エージェントスミスがネオの近くにいる人に乗り移って襲ってくるのでキリがないというシーンでしたが、それを想起させます。
なぜそのようなことが起こるのでしょう?
通行人に首を絞めてもらおうと意図してもできるものではないのに、それがこれまで3〜4回もあるとは!?
これもカルマが原因しているのでしょう。
不条理と思えますが、過去では自分がそれをやっていたのかもしれません。
同じようなカルマのケースを度々耳にします。
一番衝撃的だったのは、祖父が起こした殺人事件を、孫が同じパターンで繰り返してしまったというものでした。
これはちょっと特殊な殺人方法だったので、これと同じことを孫がしてしまうというのは合理的な説明がつきません。
しかも、その孫は祖父の殺人事件を知らなかったというので、これもカルマという行動の鋳型が家系に渡って人生にプログラムされていると考えるしか説明がつきません。
これらのカルマの事例はわかりやすいものです。
このように顕著な事例でないにせよ、私たちの人生は様々なカルマに支配され、それがいろいろな場面で再生されて起こります。
離婚・倒産・人間関係のトラブル・病気など不幸とも思えることは、同じようなことを経験している先祖がいることがあります。
家系について私たちはたいてい無知で関心もありませんが、詳しく調べていくと自分自身と非常によく似た人生を送っている先祖がいると言われます。
では、カルマを消すにはどのようにしたらよいのでしょうか?
カルマを消す方法は2つあります。
一つには、カルマはその苦しみを体験して、じっくり味わって消化していくこと。
もう一つは、反対に徳を積んで、プラスのエネルギーでカルマというマイナスエネルギーを打ち消していくことです。
じっくり味わって体験するのは、気付きがあって学びになりますが、とても辛いことです。
しかも長期に渡ってそれを体験しなければならないこともあります。
できれば、今世で周りの人に喜んで感謝してもらえる行動を続け、徳を積んでいく。
プラスのエネルギーでマイナスのエネルギーを消していくのが賢明な生き方です。
カルマは極力自分の代で解消し、それを自分の子の世代に引き継がないよう精進したいものです。
皆がそれを重ねていくことで自分自身のみならず、人類社会全体が明るい未来になっていきます。